2005年10月12日
ユニタール広島プログラム
■背景

 広島県とユニタールは、平成12年11月に覚書を交わし、外交官や行政官などの人材育成を通じて、アジア太平洋地域の平和と安全に貢献し、経済・社会開発を促進するよう協力関係を築くことに合意しました。平成13年度から14年度まで2年間の試行期間を設け、アジア太平洋地域の政府関係者、学識経験者等を対象に訓練や調査を実施するため、ユニタール広島センターの設置が可能かどうかを探ることとしています。

■活動内容

試行期間
  広島県とユニタールのパートナーシップは試行期間から始まっています。この試行期間の具体的な目標は、ユニタール広島センターの有用性や実現可能性、更にはセンターが設置された場合にアジア太平洋地域に及ぼす影響を検討する機会を提供することです。試行期間の初年度には、広島で2つの共同プロジェクトを実施しており、同県の特性、蓄積してきた知識、広島の象徴的な重要性が権認されました。これらの活動は、広島における関係機関やユニタールが持つ国運内外の協力機関ネットワークの支授を受けて、企画・運営されました。

 ユニタールの広島プログラムのコーディネーターは、プログラムの効果的な実施やプロジェクトの遂行を確実にするために、広島や日本全国の関運機関、さらにユニタールやその他の国連機関の多彩なスタッフやプログラムとの連携を図りながら、広島県と密接に協力して働いています。講師は世界中の関連機関や専門家グループから招聘しています。このように、各国機関、日本及びアジア太平洋地域に基盤を置く国連機関など組織の幅広いネットワークを活用しながら活動を行っています。

■試行期間1年目の共同プロジェクト

第1回共同ブロジェクト
時 期:平成13年10月1日(月)〜6日(土)
テーマ:世界遺産の管理及び保全
形 式:ワークショップ(特定のテーマについて演習や議論を行う研修会)
参加者:34人(21か国)
目 的:1972年に締結された世界遺産条約は世界の文化及び白然遺産を保全し、未来の世代に伝えていくための国際的な協カおよび支援をその目的としています。種々の国際的な取り決めにより、世界遺産に対する人々の意識は向上し、その管理方法は発達してきています。しかしながら、国によって法体制や政治体制等が異なることにより、世界遺産の保全、管理は十分に実施されず、その存在が危機に瀕している遺産も多々存在しています。そこで人類が培ってきた英知の表れである世界遺産を次世代に残していくため、この条約及び世界遺産の保全と管理を効果的に実施するための法律的、政治的、管理的手段を探っていきます。

第2回共同ブロジェクト
時 期:平成14年3月6日(水)〜8日(金)
テーマ:海洋と人間の安全保障
形 式:シンポジウム(特定のテーマについて専門家が議論を行う会合)
参加者:37人(21か国)
目 的:人類と海洋は古代から深い関わりを持っています。現在、海洋は汚染や気候変化、核拡散など様々な形でその存在を脅かされていますが、依然人間の生活に大きな影響を持ち続けています。人間の安全保障は様々な要素が複雑に絡み合っている問題ですが、食糧や水に関する環境安全保障もその重要な要索を構成しています。海洋環境の問題は地域的なものでなく、各国に共通の問題であり、この人類共通の遺産である海洋を守っていくことは、人類の生存を保障することでもあります。そこで、人間の安全保障を含め様々な観点からこの海洋を守っていくための統合的な手段を法的、政策的側面から検討していきます。

*本会議の議事録は、パートナー研究者の協カのもと、本にまとめて出版されます。

■試行期間2年目の共同プロジェクト

「紛争からの復興」に関する調査と国際会議

  国際社会の課題にこたえて、広島県とユニタールは、試行期間の2年目のテーマとして「紛争からの復興」に取り組みます。このテーマは、アジア太平洋地域のニーズとも深く関わり、広島が復興の経験から得たものを、この地域の人々と分かち合う可能性を秘めています。2002年9月にはアフガニスタンヘ調査団を派遺して、現地調査を実施しました。11月の国際会議の成果により、多年度に及ぶ復興プログラムが策定されることとなるでしょう。

第3回共同プロジェクト
時 期:平成14年11月11日(月)〜13日(水)
テーマ:紛争からの復興
形 式:シンポジウム(特定のテーマについて専門家が議論を行う会合)
参加者:約40人
目 的:人類の歴史において紛争は絶え間なく繰り返されてきましたが、人間はその崇高な精神により紛争からの復興を成し遂げてきました。しかしながら、今日の紛争は非常に複雑な様相を呈し、その復興の可能性にも様々な要素が絡み合っています。平和創造、平和維持及び平和構築のための国際社会による介入や復興支授は国連活動の核をなす活動ですが、過去の紛争とは異なり様々な要素が複雑に絡み合った紛争を前に、その効果的な実施が模索されています。そこで、過去50年にわたるアジア太平洋地域での紛争復興状況及びそれに関わってきた国連活動等を検証し、国際社会が果たすべき役割とより効果的な復興支援策を検討します。


ユニタール広島プログラムヘの地元支援
 平成13年5月14日に、ユニタールをはじめとする国連機関等とのネットワークを構築し、国際社会の平和と発展に貢献するため、行政、経済界、大学、国際関係機関等を構成メンバーとする広島県国際平和構築ネットワーク協議会が設立されました。この協議会は、ユニタール広島プログラムの地元へのPRや地元との交流を推進するための活動を実施しています。