2005年10月14日
訓練及び能力開発に対するユニタールのアプローチ
■訓練と能力開発についてユニタールが目指すもの

 ユニタールの訓練と能力開発に関するビジョンは、変革に着手するための国際的・国内的・地域的な活動とより密按に関連したものでなければならないという信念に基づいています。訓練が実際にその役割を果たせるように、ユニタールのプログラムはいくつかの核となるテーマと方針に沿って策定されています。

・各国の要望に合わせて、経験によって得た知識、技術や技能の移転を
 推進しなければならない
・訓練は能力開発及び人材開発の不可欠な要素でなければならない
・訓練は任務遂行能力を高めるものでなければならない
・訓練は国家の戦略開発および政策決定に寄与するものでなければな
 らない

■ユニタールの調査活動

 ユニタールの調査活動は、訓練及び能力開発のプログラムに直接関連しています(「訓練に関する、訓練のための調査」)。この手法は、ユニタールの訓練方法の発展や改善を意図しています。また、ユニタールは、国家の戦略的開発に必要な知識、技能及び手段の獲得を目標としている国々に応用できる、行動重視の調査研究を支援します。更に、国家プロジェクトの評価方法を開発し、過去のプロジェクトから学んだことを新しい取り組みに生かすことも、ユニタールが行う調査活動の一つです。

■パートナーシップとネットワーク

 ユニタールは、国連内外の様々な機関との連携を通じて、訓練と能力開発の活動を他機関の専門枝術と結び付けています。これによって、ユニタールは優れた既存のネットワークを活用することができます。国家的な専門家ネットワークも重要な役割を果たしており、ユニタールのプログラムをさらに国家の開発にかなったものとし、国家レベルの訓練プログラムのフォローアップを提供しています。このような連携を通じて、訓練資料の開発と普及はさらに効率化され、ユニタールは時宜にかなった方法で、幅広い人々に貢献できるようになりました。

■実践的ワークショップ及び技能閾発(スキル・ビルディング)

通信教育及ぴインターネットを利用した学習
 多くの場合、ワークショップには多額の費用がかかります。したがって、応募者のわずか一部しかこのような訓練に参加できません。この問題を回避するために、ユニタールはまず、平和維持活動と環境法という2つの分野における通信教育プログラムを開始しました。これにより、より幅広い受講者を対象とすることが可能になりました。受講者とユニタールは、定期的に書面で連絡を取り合うことができます。多くの場合、通信教育の受講者は、終了後に開催されるワークショップに集まり、各課題についてより深く掘り下げた議論をすることができます。

 また、ユニタールでは、講座の一部をインターネット上に載せ、インターネットを利用した学習講座を開設できないか検討を始め、債務管理プログラムにおいて、試験的に開始しています。この経験から得たものを検証した上で、2年以内に同様の取り組みに着手することになります。

フェローシップ・プログラム
 フェローシップ・プログラムは、同じような経歴や共通の関心を持つ研修生が共に学ぶことで、個々の分野における最新の成果に関する各自の知識を深め、他の専門家との交流や知識の共有を図ることを可能にするものです。ユニタールの通常の講座よりも集中的で、期間も2〜6週間と長く、予防外交、国際法、国際問題管理、債務管理の法的側面に関する分野で実施されています。

「アラカルト」プログラム
 「アラカルト」プログラムは、研修生の個々の関心に応じた特別講座や学習単位を特徴としており、より広い訓練プログラムから科目を選択することもできます。このプログラムの期間は1日から2週間まであり、依頼元の開発途上国の政府や関係機関の二一ズに合わせて実施されます。同プログラムのテーマには、国連についての認識の向上や多国間外交の技術研修などが含まれます。また、財務管理、行政学、更には1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットに由来する条約を初めとする、国際環境法の適用方法なども取り扱います。「アラカルト」プログラムは、国連加盟国やジュネーブとニューヨークにある国連事務所で実施されています。

主題別ワークショップ及び会議
 ユニタールの会議やワークショップの中こは、参加者の能力や責任のレベルに合わせて、単なる研修活動の目的を超えたものもあります。こういったワークショップや会議では、政府、国連機関、学会、NGOの主要な関係者が集まり、個別の議題やテーマについて話し合うことで、各白の経験から得た知識や技術を系統的に交換できます。参加者は全世界や各国の重要課題について検討や議論を行い、そのうちの一部については個々のユニタールのプログラムを通して取り組んでいきます。このような会議の結果は系統立てて記録され、各議題の分野における将来的な取り組みに役立てるために、広く発信されます。

■各国による二一ズの自己評価及び戦略策定の促進

  過去10年にわたり、ユニタールは、系統立った同家主導の訓練及び能カ開発を支授する方法をいくつか開発し試みてきました。これらの方法が開発されてきたのは、優先すべき二一ズの特定とそれに対する取組みを長期的な国家プログラムにまとめられるように、系統的なアプローチを支援するためです。このようなアプローチは、ユニタールの様々なプログラムに対してとられており、他の国際機関のプログラムに対するアプローチを策定する上でも役立っています。

国家の意識向上ワークショップ
 国家レベルで開催される意識向上のためのワークショップには、様々な機関、政府の各部門、NGOの意思決定者が参加します。このようなワークショップによって、通常は新しい国際開発に対する関心が高まり、各国の政策にも影響を与える可能性があります。各国で開催されるこのようなワークショップは、内容によっては、独自性を持ったり、国家レベルでの組織的なフォローアップが始まる契機にもなります。

能力開発の二一ズに関する自己評価及び「ナショナル・プロフィール」の作成
 ある分野における基本的な状況を明らかにし、現状の長所と短所を理解することは、能力開発を行っていく際の出発点となります。各国が能力開発の二一ズを評価する際、ユニタールは、外部のリソース・パーソン(専門的知識を持ち情報源となる人)を通じて、指針となる文書やアドバイスを提供することで支授を行っています。これらのプロジェクトを成功させるためには、外部の専門家よりも、むしろ当事者や利害関係者による国家レベルでの対話を通じて行われることが大切です。プロジェクトの成果は、いわゆる「ナショナル・プロフィール」に記録されます。これは、国家所有の文書で、国家の行動計画や政策形成にあたって参考になるものです。多くの国が評価を完了し「ナショナル・プロフィール」を作成することによって、ユニタールは、リソース・パーソンをさらに活用し、彼らの経験による知識や技術から恩恵を受けることができます。

戦略及び行動計画の策定
 ユニタールは、各国が優先課題に取り組む際、多様な指導教材やプログラムを提供して支援しています。これらのプログラムの目的は、様々な政府部門や関係者を、行動を重視するプロジェクトに関与させることです。行動重視のプロジェクトとは、一般からも国からも広く支持される解決策を提供できるものです。各国において、重要な決定は国家レベルで行われますが、ユニタールは、各国が十分な情報を得た上で意思決定ができるように、指針や情報や専門知識を提供しています。

■訓練資料の作成及び晋及

 ユニタールは、訓練用資料や書類を幅広く作成しています。これらは指針書、マニュアル、「独立型」もしくは「教材依存型」の訓練パッケージ、コンピュータを利用した教材などですが、どのような形式でも、各プログラムの訓練目的に役立つように作成されています。

 ユニタールの訓練資料は、職員が作成するものも、外部で作成するものもあります。資料の一部は、各国の専門家が情報を得たり、意識向上を促すワークショップのために、直接利用できるように作られています。また、多くの関係者や関係機関に行き渡るように、インターネット、ハードコピー、CD−ROMなど、各目的に最もかなった方法で配布されます。

■国家能力の自己評価及び『ナショナル・プロフィール」の作成

 ユニタールは、国家能力についての白己評価やナショナル・プロフィール作成の分野においては、国連の中でパイオニア的存在の一つとみなされています。過去5年にわたり、この考え方は、主に環境や債務管理の分野で、ユニタールのいくつかのプログラムに取り入れられてきました。例えば、化学管理の分野では、1996年にナショナル・プロフィールの指針書を作成しました。この指針書は、その後、化学物質安全性政府間フォーラム(IFCS)によって支持され、7種類の二国間授助により、50か国以上の国々で、化学管理の分野における自国の能力の評価を行いました。


訓練プログラム例

・国際問題管理に関するプログラム ・平和維持活動(PKO)に関する通信教育(ユニタールPOCI)
・平和創造及び予防外交に関するプログラム
・化学及び廃菓物管理に関する訓練と能カ開発プログラム
・気候変動に関するプログラム
・持続可能な開発のための技術と情報システム
・地域の関係者のための国際訓練センター=分権型脇カ(CIFAL)=
・環境法に関するプログラム・国際移住政策に関するプログラム(IMP)
・債務・財務管理及び交渉の法的側面
・対外経済関係
・紛争時における女性と子供の特別なニーズに対応する民間人のための訓練
・平和維持に関するユニタール/IPS(シンガポール政策研究所)/JIIA(日本国際問題研究所)会議シリーズ